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海外文学を理解するのに必要な最低限の知識5選【これだけで十分】

海外文学を理解したい、より深堀りしたい、知識欲高い人いるんじゃないでしょうか?

特に最近、大人の学び直しってかなり注目されている。

でも何から始めたらいいかわからない人もいると思うので今回は最低限の知識を5選、紹介していきたいと思います!

聖書

まず聖書、これはもう鉄板中の鉄板。

海外文学の大半が聖書を元にしてると言っても過言ではないくらい、海外文学、海外どころか日本でさえ聖書がベースになってる。

この近代社会、聖書の言う事を信じてる人は少数派でしょう。

宗教を信じるかどうかについて私はとやかく言うつもりはない、けど当時は宗教が唯一の人の心の拠り所だったわけだから宗教が普及したというのはうなづける。

それに物語として見るなら聖書を見るというのも決して悪くない、何より海外文学、今回は文学ですが映画とかドラマとかでも聖書を参照してるのがちらほら見受けられます。

聖書がわかればその作品の伝えたいことが自ずと見えてくる、ただいきなり聖書を読むってのは骨でしょう。

物量、ページ数が多すぎて挫折する未来が容易に見えてくる。

だから今まで読んだことがない人はまず漫画で時代背景、イメージを掴むことが大切です。

このマンガシリーズは日本聖書協会が発行してる本に忠実に描かれたマンガシリーズ、これであらかたの流れ、ストーリー、時代背景が掴めるでしょう。

そしてわかってかつ、より深めたいなら聖書を読んでみる、このルートがベストだと思います。

シェイクスピア

次にシェイクスピア、こちらも海外文学ではよく出てくる。

特にハムレットは、太宰治作の新ハムレットとか、"ローゼンクランツとギルデンスターンは死んだ"といった作品はハムレットがベースになってるからハムレットを知らないとこれらは理解できないでしょう。

シェイクスピアは世界史だとちらっとしか出てこないけど、演者系の人は基本中の基本、むしろ演者でシェイクスピア知らないのは話にならないでしょう。

シェイクスピアは戯曲家・詩人として活動した人、だから作品も当然戯曲がほとんど。

読み慣れない人も多いでしょう、実際本を読む人でも戯曲ってニッチで読んでない人はとことん読んでないでしょうし。

読み方のコツとしては音読すること、これ一択です。

戯曲は、そもそも演者向けのセリフテキストとして作られたもの、だから音読するほうが正しいと言ってもいい。

むしろ黙読は戯曲という形から考えると本筋ではない、一度読んで、慣れてから、気になるページを黙読するくらいでちょうどいいくらい。

おすすめは松岡和子さんが翻訳したちくま文庫シリーズ!

シェイクスピアの詩集、有名なのはソネットですがソネットは岩波文庫ですね。

なんでちくまがおすすめなのか、まず全シリーズが揃ってること、これがまず1つ。

シェイクスピアを全部読みたいと思ったら、基本、ちくま文庫松岡和子さんか、白水Uブックスの小田島雄志さん訳のどちらか。

日本ではもうひとり坪内逍遥さんが全訳してるみたいですが、現在絶版、基本この二人です。

小田島雄志さんのシェイクスピアも何作か持ってますが、どちらかというと中級者向けと言うか、かなり戯曲に近いというか、ちょっと文体が硬い。

そして松岡和子さんの方は作品によっては地図が付属していて、作品中の移動もイメージつきやすいし、細かい解説もついてる、セリフもどちらかと言うと演じる人を考慮して作られてる。

だから文章自体も優しい感じがします。

実際松岡さんのシェイクスピアはドラマとかよく出てる有名な阿部寛さんが本の帯書いてるみたいだし、歴史があるのは小田島さんの方なんだけど、読みやすいのは松岡さんの方だと思ってます。

だからネットで拝見したことありますが小田島さんのシェイクスピアは詩っぽい、より忠実な文章で松岡さんのシェイクスピアは演じる人向けというか、実際に舞台で演じるならこう言うだろうなみたいな、現代日本人に近い文体、好きな方を選べばいいし、よりこだわるなら両方比べてみるのも面白い。

ただ初心者ってことを考慮するなら地図や解説の多い松岡さん訳のシェイクスピアだと私は思います!


シェイクスピア全集 全33巻セット (ちくま文庫)

世界史

次に世界史、世界史は学校で選択科目とはいえ習う、必須教養の一つ。

そして海外文学でも実際の歴史の時代を舞台にしてることが多い。

例えば宝塚でも有名な"風と共に去りぬ"、これはアメリカの南北戦争が舞台になってる。

つまりこの時代を理解するためには世界史をやってアメリカの南北戦争を知っておかなくてはならないということ。

他にもドン・キホーテ、とかレ・ミゼラブルとかも実際の歴史が舞台になってる、これは世界史を勉強してると教科書にも載ってる、くらい鉄板の王道文学。

だから時代背景を理解するためにも世界史を知っておくことはとても大切なことなんです。

それに世界史は文学理解のためだけではなくグローバルな人材になる、目指してる人には必須事項とも言っていい。

実際、最近はグローバルで働く人が多い故、世界史を勉強し直す人が多い。

海外の人からすると自国の歴史、そして世界の歴史を知ることは当たり前、グローバルパーソンなら尚更、むしろ知らないは恥。

山川の世界史や日本史の教科書、教科書って普通は教科書専門の店でしか頼めない。

だけど山川の歴史の教科書だけは紀伊国屋とか大きい書店なら普通に売ってる、それくらい歴史は知っていて当たり前ということです。

ただ私は受験という観点でも大人の学び直しという観点からも歴史の教科書で勉強ってのはあんまりおすすめできない。

教科書は基本、そんなの当たり前、でも教科書って文字面だけだから純粋につまらない、歴史ってのはストーリーなんで、時代背景、どういう時代でどういう背景があったのか、それを理解してないと、理解が難しい。

何よりつまらない、大人からだとなおさら、一人で黙々と読むのは苦痛で挫折する可能性が高い。

だからおすすめは漫画で読むこと、漫画なら普通に楽しめてかつ、時代背景がイメージしやすい、解説もついてるから教養にもなって一石二鳥。

おすすめは集英社文庫です。

集英社はビリギャルで有名な坪内先生が推奨していたり、こっちじゃなくて、新しい方ですが、集英社は文庫版と、リニューアルされたハードカバーの方があるんですが、そっちではカズレーザー氏やYoutuberで公立教師をやってるらしいムンディ先生が推奨していたりと集英社が最も推薦する人が多い。

学び直しという意味でも楽しむという意味でも集英社がベスト!


集英社版 学習まんが 世界の歴史 全巻セット (全18巻)

世界史をより深ぼる方法

世界史には一つ弱点があります。

それは浅いこと、受験においてはある意味有利、覚えることが少なくて済む、だけどその分、時代背景を掴みにくいところがあるんです。

それに受験を度外視しても普通に浅く、日本史に比べると、急に時代や国が変わって、イメージしにくいという問題がある。

そこでおすすめするのが、実際に出てくる歴史上の人物を描いた作品を読むんです。

例えば先程紹介したシェイクスピア、シェイクスピアには史劇というジャンルがあり、脚色はあるけど史実上の人物を描いた作品がいくつかあります。

ローマ史とイギリス史の2つの史劇シリーズがあって、特にジュリアス・シーザーとかリチャード三世あたりは聞いたことある人もいるんじゃないでしょうか?

史実を元にしてるからこそ、順番に読むことが基本推奨されます。

例えばローマ史なら

  1. ジュリアス・シーザー
  2. アントニーとクレオパトラ

の順で読むのがベスト、コリオレイナスとタイタス・アンドロニカスはどっちでも大丈夫です。

次にイギリス史、これは

  1. ジョン王
  2. リチャード二世
  3. ヘンリー四世
  4. ヘンリー五世
  5. ヘンリー六世
  6. リチャード三世
  7. ヘンリー八世

この順が史実順です。

他にもジャンヌダルクの裁判を描いたジャン・アヌイの"ひばり"、三島由紀夫氏が描いた"わが友ヒットラー"とか、そういう歴史上の人物を描いた作品を読むことでより時代背景とか、深堀りのきっかけを作れる。

特にヒトラーは水木しげる先生や手塚治虫先生が描いてるからより深堀りできるし、色々エンタメとして楽しみかつ、歴史の勉強もできるものがいっぱいある。

世界史は中国史も含まれるから、三国志とか項羽と劉邦といった作品を読むことで中国のイメージも深まる。

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そして次に紹介するギリシャ・ローマ神話もギリシャ、ローマを理解するのに適してる、特に叙述詩であるイリアスは英雄譚なんで読んでおいたほうが良いでしょう。

ギリシャ・ローマ神話

次、ギリシャ、ローマ神話です。

"すべての道はローマに通ず"、ヨーロッパは特にギリシャやローマが基盤となり、そこから派生、独立してドイツ、イギリス、フランス、スペインと言った国が生まれた史実がある。

だからローマやギリシャを理解するには英雄譚である、イリアスやオデュッセイア、それから神話として有名な変身物語や神統記あたりは読んでおいたほうが良い。

ギリシャ神話を理解するとギリシャ悲劇、オペラでも有名なギリシャ悲劇、そしてそのギリシャ悲劇を元にしてるシェリーの"鎖を解かれたプロメテウス"も芋づる式で読めます。

ダイスケ
ダイスケ
"鎖を解かれたプロメテウス"はシェリー詩集の"詩の擁護"を読んだほうがより理解できます

ただ、岩波文庫全般に言えるんですが、岩波は結構古典が多い、というかそれが売りと言ってもいい、だからか結構読みにくい、普通に今使われない文字とか平然と使う傾向にある。

だから正しく意味を理解し、読むためにも意味や漢字を検索しやすいKindleで読んだほうが良い。

イリアス、オデュッセイアはKindle化されてるからむしろKindleで読んだほうが理解できるし、何度も読み込むならむしろKindleのほうが長持ちです。

写真に載せてる、神統記、変身物語はKindle化されておらず、ちくまのギリシャ悲劇もシェリー詩集も"鎖を解かれたプロメテウス"もKindle化されていません。

私は基本的には紙でしか変えないものは紙で、Kindleで済ませられるものはKindleに済ませるようにしてる、この手法は王道だし、その方が部屋を圧迫しないからかなりおすすめ!

特に岩波、ちくま文庫あたりは古典が多い分難解な漢字や文体が多いのでKindleで済ませられるならKindleにしたほうがいいですよ(*^^*)

その他

そして最後、これはより深堀りした人向けですが、ダンテの"神曲"です。

"神曲"は世界史に触れたことある人は載ってるし、タイトルだけでも知ってる人いるんじゃないでしょうか?

神曲は地獄篇、煉獄篇、天獄篇と別れており、地獄や天国の概念を作った作品です。

神曲から派生したものも数多い、悪魔の概念を作ったゲーテ作のファウスト、メフィストフェレスとか聞いたことありません?

曲とかでもよく出てくる、その元ネタ、概念を作ったのが神曲でありファウストなんです。

神曲を理解すると、理解できる作品も多い、例えば荒地という作品、エリオットが描いた作品です。

劇団四季で有名なキャッツを描いた人です、荒地でデビューした人なんですが荒地はかなり難解な詩として名高い。

少なくともシェイクスピアと神曲あたりは理解してないと正直何を伝えたいのか、イメージできないでしょう。

それから失楽園、これは聖書が基盤となっていてさらにサタンとか悪魔的概念が神曲から来ています。

基本的に今の映画もドラマもアニメも漫画もどこかしらの神話とか古典文学から来ています。

より理解したい、いや、その本質を理解したいなら古典を読めば全てが読める、すべての作品は過去の作品を引用、参考にしてる。

脚本家や演者、小説家とかそういう芸術に携わりたいなら古典を読めば全てを理解でき、それが作品に活きる。

だから古典を読むことは教養としても、エンタメとしてもとても大切なんです。

まとめ

海外文学は別に古典を読まなくても理解できる、だけどより深堀りすれば、より伝えたいことがわかる、噛めば噛むほど味がわかるようなもの。

ミーハーくらいならいらない、でも知っておけば話のネタにもなるし、何より人と一歩進んだ存在にもなれる。

それに難解とはいえ、理解したときの満足感は、脳髄が満たされる気持ちにもなれる、やはり知識欲ってのは人間の欲求の中でも三大欲求の次の次くらいに高いと私は思う。

この記事を参考に、興味の湧いた作品に挑戦してみてはいかがでしょうか?

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